
ASTM F3502-21完全ガイド:この認証が本当に意味すること
ASTM F3502-21は消費者向けマスクのための米国規格です。ろ過性能と通気抵抗を評価し、フィットはテストしません。このガイドでは、何を測定し、何を対象外とし、認証をどう読むかを解説します。
マスクを購入する際、N95、KN95、KF94、FFP2、ASTM F3502といった認証の多さに圧倒された経験はありませんか。それはあなただけではありません。多くの人は、認証ラベルの付いたマスクであれば十分な防護性能があると考えがちです。しかし現実はもっと複雑です。多くの認証はフィルター素材そのものの性能しか検査しておらず、マスクが実際に顔にどれだけ密着するかは評価していません。ASTM F3502-21は一点で異なります。消費者および職場用マスクのために作られた米国規格で、フィルター素材だけでなく完成品のマスクを評価します。ただしフィットは試験しないため、顔への密着は自分で確かめる必要があります。
粒子の95%をろ過できるマスクでも、縁から30%の空気が漏れていれば、実質的には65%程度の効果しかありません。ASTM F3502は完成品のマスクを評価しますが、この差そのものは測定しません。漏れは設計分析で扱われるだけでフィットテストではないため、密着は自宅で確認する必要があります。
ASTM F3502-21とは?
ASTM F3502-21は、ASTM International(13,000以上の規格が世界中で使われている世界最大級の規格機関の一つ)が発行する任意規格です。2021年に、消費者および一般職場向けのバリアフェイスカバリングに関する米国規格が存在しないというギャップを埋めるために公開されました。既存の規格は、職業環境向け(NIOSH N95)、医療環境向け(ASTM F2100サージカルマスク)、または外国の国家規格(中国のKN95、韓国のKF94、欧州のFFP2)のいずれかでした。
ASTM F3502の特徴は、消費者向けバリアフェイスカバリングのために作られ、完成品のマスクを検査する点です。すべての製品は2つの項目で等級が付けられます。サブミクロン粒子のろ過効率と、呼吸のしやすさです。この規格には、定性的な漏れの設計分析も記載されています。これは設計が隙間にどう対処しているかを見るもので、顔へのフィットを測定するものではありません。
ASTM F3502が検査する項目
1. サブミクロン粒子ろ過効率(PFE)
これが最も注目される数値です。1マイクロメートル未満の粒子をマスクがどの程度ろ過するかを示します。サブミクロン粒子は肺の奥深くまで侵入するため最も危険です。ASTM F3502は、より大きくろ過しやすいサイズではなく、これらの重要な小粒子サイズでろ過性能を検査します。
2. 吸気・排気の呼吸抵抗
粒子の99%をろ過できても息がしにくいマスクには2つの問題があります。第一に、ユーザーが継続的に着用しなくなること——着用しないマスクの防護力はゼロです。第二に、高い呼吸抵抗によりフィルターを通らず隙間から空気が漏れる可能性があります。ASTM F3502は、長時間の着用に適するよう呼吸抵抗の上限を設定しています。
3. 漏れの設計分析
規格には、鼻や頬など縁での漏れにマスクの設計がどう対処しているかを見る定性的な分析が記載されています。定量的な漏れ試験は任意です。この分析は人に着用させてフィットを測定するものではないため、認証レベルだけではマスクが顔にどう密着するかは分かりません。
2つの軸、それぞれ2つのレベル:ろ過効率と吸気抵抗
ASTM F3502-21はバリアフェイスカバリングを2つの軸で評価し、それぞれに2つのレベルがあります:サブミクロン粒子ろ過効率(レベル1 ≥20%、レベル2 ≥50%)と吸気抵抗(レベル1 ≤15 mm H₂O、レベル2 ≤5 mm H₂O)。各レベルは独立して判定されるため、製品の試験報告書には軸ごとのレベルが記載されます。その違いを理解することは購入判断において非常に重要です。
ろ過効率レベル1は、サブミクロン粒子ろ過効率20%以上を要求します。このレベルの製品は基本的に強化された布マスクとして機能し、着用者の防護は限定的です。レベル1はろ過効率のエントリーレベルです。
ろ過効率レベル2は、実質的な防護が始まるレベルで、サブミクロンPFE 50%以上を要求します。吸気抵抗は別の軸として独立に判定されます(レベル1 ≤15 mm H₂O、レベル2 ≤5 mm H₂O)。認定試験機関によるASTM F3502-21報告書を持つ製品は、職場環境や日常使用に適した呼吸器防護を提供することが第三者機関により検証されています。報告書には軸ごとのレベルが記載されており、厳格な複数指標評価に合格したことを意味します。
製品はろ過効率レベル1でわずか20%のろ過率でASTM F3502認証を主張できます——布マスクとほとんど変わりません。報告書が各軸でどのレベルを記載しているかを確認してください——ろ過効率レベル1の製品は20%で規格をクリアします。
ASTM F3502と他の認証規格の比較
ASTM F3502が他のマスク認証規格とどのように位置づけられるかを理解すると、情報に基づいた消費者にとってなぜこの規格が好まれるようになっているかが説明できます。
- NIOSH N95:0.3μmでろ過率(≥95%)と呼吸抵抗を検査。職業使用向けに設計。認証自体にフィットテストはなく、OSHAの規則により雇用主が着用者ごとに実施する。
- KN95(GB2626-2019):中国の国家規格。ろ過率(≥95%)と、被験者による総内部漏れを検査。取り締まりにばらつきあり。
- KF94(KMOEL-2017-64):韓国の規格。ろ過率(≥94%)と呼吸抵抗を検査。一般的に厳格に施行。
- FFP2(EN 149):欧州規格。ろ過率(≥94%)と呼吸抵抗を検査。総内部漏れ試験を要求。EU市場で厳格に施行。
- ASTM F3502:マスク全体のサブミクロンPFEと通気抵抗を検査し、漏れの設計分析が付く。各項目に2つのレベル。消費者・職場使用に特化して設計。フィットテストなし。
重要な違いは、ASTM F3502が日常の消費者使用のためにゼロから設計されており、職業的または医療的な文脈から転用されたものではないということです。完成品のマスクをろ過と呼吸のしやすさで評価し、漏れの設計については設計分析を添えます。フィットテストを含まないため、NIOSH N95を消費者向けに展開しにくくしている専門的なフィットテストを求めませんが、同時に、マスクが顔にどう密着するかについては何も示しません。
Related Article
マスク認証を理解する:ASTM F3502、NIOSH、KN95、その先へ
ASTM F3502と主要なグローバル認証規格を比較します。
ろ過数値だけでは誤解を招く理由
マスク認証について理解すべき最も重要な概念です。ほとんどの認証は、管理された条件下のラボでフィルター素材を検査します。フィルター素材はテスト装置で95%や99%のろ過率を達成するかもしれません。しかし、その素材を顔に適切に密着しないマスクに使用すると、実際のろ過率は大幅に低下します。
PLOS ONEの試験では、KN95のフィルター素材は台上で粒子の99.3%を阻止しましたが、同じマスクを着用すると83.9%にとどまり、サージカル(手術用)マスクは89.7%から55.8%に下がりました。ASTM F3502はフィルター素材だけでなく完成品のマスクを評価しますが、フィットは試験しないため、密着の確認は引き続き必要です(マスクのフィット確認方法)。AirPopの360°ソフトタッチシールは、フラットフォールド型マスクが定格のろ過性能を損なう原因となる隙間を塞ぐよう設計されています。
“最も高くつくマスクは、機能しないマスクです。シールなくしてろ過は無意味です。”
— AirPop創業の原則
認証マスクを購入する際の確認ポイント
この知識を武器に、認証に基づいたマスク評価の実践的なチェックリストをご紹介します:
- ASTM F3502-21報告書が各軸で記載するレベルを確認——ろ過効率レベル1の製品は20%で規格をクリアする
- 独立した試験機関による検証を確認——認証はメーカーの自己申告ではなく、認定試験機関(Intertek、SGS、BSIなど)による裏付けが必要
- 複数認証は品質のシグナル——ASTM F3502に加えKN95やBSI Kitemarkも取得しているブランドは、複数の枠組みで検査されている
- シール設計について確認——構造化されたシールのないフラットフォールドマスクは、実際の使用でろ過性能を発揮することがまれ
- 呼吸性を考慮——高いろ過率と高い呼吸抵抗を併せ持つマスクは継続的に着用できない
- 再利用の主張を確認——再利用可能と主張するマスクについては、クリーニングサイクル後にろ過性能がどう変化するかを確認
AirPopがASTM F3502-21を超える理由
AirPopはASTM F3502-21のレベル2ろ過効率下限(≥50%)を>97%で大きく上回っています。AirPopは新品時にサブミクロン粒子で>97%の粒子ろ過効率を示し、10回のクリーニングサイクル(70%アルコールワイプ、Intertek)後も>97%のPFEを維持します。
ろ過性能に加えて、AirPopはろ過率の数字には表れない2つの要素、シールと呼吸のしやすさに取り組んでいます。360°ソフトタッチシールは多様な顔の形に適合し、フラットフォールドマスクで生じやすい隙間をふさぐよう設計されています。3D Aerodome構造は空気ポケットを作ってフィルターを唇から離すため、長時間の着用も我慢比べではなく快適なものになります。
- ASTM F3502-21 — Intertek認証:サブミクロン粒子ろ過効率はレベル2、吸気抵抗はレベル1
- KN95 — GB2626-2019(ろ過効率試験、SGS、2023年)
- AFNOR SPEC S76-001 — BSIによるバリアマスク型式試験(英国、2020年)
- ASTM F3502-21 認証取得(Intertek)、KN95(GB 2626-2019、SGS)およびAFNOR SPEC S76-001(BSI型式試験)に基づく試験実施
AirPopはASTM F3502-21 認証(Intertek による検証)を取得し、KN95(GB 2626-2019、SGS)およびAFNOR SPEC S76-001(BSI型式試験)に基づく試験を実施しています。認証データの全容はgetairpop.com/technologyでご覧いただけます。
Related Article
安価なマスクの隠れたコスト
ASTM F3502認証がなぜ小売バイヤーにとって最良の品質シグナルなのか。
著者について
Chris HosmerCo-Founder, AirPop
Industrial designer and co-founder of AirPop. In 2015, while living in Shanghai, he invented AirPop's first smart mask after watching his own children struggle to breathe through the city's air pollution — creating the Air Wearables category. Leads product engineering, certification testing, and filtration technology development.
See Our Certifications
Certified to ASTM F3502-21 (Intertek); tested to KN95 (SGS) and AFNOR SPEC S76-001 (BSI).
See Our Certifications関連記事

ASTM F3502-21解説:呼吸保護の新基準
ASTM F3502は小売業者と販売業者の呼吸保護評価方法を変えています。この基準のテスト内容、小売にとっての重要性、AirPopの位置づけを解説。

ASTM F3502 vs N95 vs KN95: Which Standard Actually Protects Your Customers?
Three certifications, three different testing approaches, and vastly different real-world protection levels. This head-to-head comparison helps retail buyers choose the right standard for their assortment.

マスクはどのようにテストされるのか:認証基準の背後にある科学
塩エアロゾル発生器から呼吸シミュレーターまで — 研究所がろ過性能、通気性、実際のフィット感をどのようにテストするか、その舞台裏をご紹介。プロセスを理解することで結果への信頼が深まります。